毛並の良い猫とは

猫の姿で一番最初に目に入るのは、その毛並みや毛色だと思います。

毛並みが良い場合には栄養のバランスがとれた食餌を摂取して、被毛にも栄養が十分に行き届き、健康状態が良いと一目で判断できます。

ですから、被毛は健康のバロメーターとして非常に重要なポイントであることは、飼い主さんであれば誰でも理解できることでしょう。

猫の体には、1㎠ 当たり、20,000本近い被毛が生えているとも言われています。

この被毛の役割は、健康のバロメーター以外にもいくつかあります。

例えば、暑さや寒さに対しての温度調節をしてくれたり、触られたりした場合のセンサーになったり、無くてはならないものです。

冬場になると被毛がモコモコして温かそうになり、逆に日が長くなって暖かくなると、沢山の被毛が抜けていくために、掃除が余計大変になったりを経験している方も多いでしょう。

そして、毛を逆立てることがありますが、この姿を見れば、猫が興奮している状態であるとすぐにわかります。

また、野良猫と飼い猫の被毛を比較してみましょう。

十分な栄養を摂取できていない野良猫の毛並みは、明らかに飼い猫に劣ります。

逆に野良猫でも毛並みが良ければ、確実に給餌している方がいると推測できます。

では、”毛並みの良さ”は、どのような点を判断しているのか、改めて考えてみたいと思います。

①汚れ:外にいる野良猫や飼い猫と完全室内飼いの猫では、大きな差があります。

一度外に出たら、猫の毛には沢山の土、埃、ゴミ、などが付着します。

猫は基本的に自分でグルーミングをしますから、それらを綺麗に舐めとってしまいます。

しかし、明らかに細かい部分では、完全に汚れが取り切れていないため、外にも出る子達は汚れがちです。

そして、室内飼いでも汚れが目立つとすれば、グルーミングが出来ない不健康な状態である可能性があります。

②光沢:埃が付着しているだけでも光沢はなくなり、燻んだ印象を受けます。

太陽の光が当たった時に、弾けるような光りの反射が見られる被毛は、その元気の良さも感じられます。

③脂:明らかに適度なグルーミングをしていない猫の場合には、被毛がペッタリとして倒れたように皮膚にくっ付いた状態で、あまり元気には見えません。

④フケ:体質により皮膚が弱い子の場合には、フケが出やすいことがあります。

皮膚の水分が不足して皮膚のバリア機能が落ちている状態ですから、被毛も元気をなくします。

セラミドを含むローションでケアをする必要があります。

⑤毛玉:どんなに清潔で光沢がある状態でも、毛玉があっては全てが台無しです。

常に丁寧にブラッシングなどで手入れをして、初めて、毛並みが美しいと言えるでしょう。

このように、毛並みが良いと判断される場合には、これらの条件がクリアされている必要があり、それを維持していくためには、何と言っても、十分に栄養摂取して体が健康でなければなりません。

不健康であれば、猫はグルーミングをあまりしなくなります。

グルーミングをしなくなると、体には汚れが付着したり、尿や便の後始末が不十分で、特にお尻周りから臭いが出たりもします。

ですから、猫の毛並みは、人間の髪の毛よりもはるかに敏感に体調不調を表します。

猫の種類による違い

スコティッシュ、ロシアン、雑種など種類によって違いはあるのか

ずばり、猫の種類によって毛並み(被毛)が異なります。

ご存知の通り、長さによってショート、ミディアウムロング、ロング、に分かれますが、更に細かく分類すると、アンダーコートのある場合と、無い場合、の2種類があります。

この違いは猫の生まれた環境が密接に関与しており、寒い地域であればそれだけ寒さに耐える必要があるため、アンダーコート(外側の長いアウターコートとは異なり、短くて柔らかい、綿毛のようなもの)が存在します。

また、暑い地域では人間同様に分厚いコートを着る必要が無いため、アンダーコートを持っておらず、アウターのみの猫種も存在します。

具体的な例として、例えば、スコティッシュ・フォールドは名前の通り寒いスコットランド生まれです。

突然変異から耳が折れ、残念ながらそれに関連した肉体的な異常を抱えており、欧州では繁殖を中止する動きが出ていますが、非常に美しい毛並みの大人気猫種です。

様々な毛色パターンのロングヘアーとショートヘアが存在し、アウターコートが密に生えており、しっかりと皮膚から立ち上がった状態で、その立ち上がりを助けるように短いアンダーコートもあります。

また、どちらかと言えば羊毛のような柔らかさよりもやや固めの印象があります。

次に、ロシアンブルーは、そのブルーグレイに光る、ビロードのような柔らかい手触りの被毛に魅了されてしまう方も多いでしょう。

彼らも寒い地域出身ですから、非常に密に生えたアウターに加えてアンダーコートがあります。

当然、色は独特なブルーグレイ以外は存在せず、短く、抜け毛も少なめなのが特徴です。

一方、ミャンマー生まれのバーマンのように、暑い地域出身であればアンダーコートはありません。

また、お馴染みのジャパニーズ・ボブテイルもアンダーコートは無く、雑種に至っては、親猫の性質によって毛色や毛質などは様々なパターンが存在します。

最近では縮れた被毛を持った珍しい猫種(レックス)も見かけますが、その中には若干毛が少ない個体もいるようで、冬場の寒さに注意しなければならないこともあります。

長毛種と短毛種の違い

猫種によって毛並みが多様化している事実は先に述べましたが、長毛種と短毛種の観点から見た場合の決定的な違いは長さです。

どちらの場合にも、アンダーコートが有ったり、無かったり、毛色のパターンも多様化しています。

そして、長毛種の場合には短毛種には無い苦労があります。

長毛を綺麗に維持するためには、ブラッシングが非常に大事であり、放置してしまうとすぐに毛玉が出来てしまいます。

動物病院では、ブラッシングを嫌う全身毛玉だらけの猫が連れ込まれ、麻酔下での全身バリカン処置を行うことがあります。

また、飼い主さんがハサミで毛玉を切ったつもりが皮膚を切って出血をさせて、慌てて病院に駆け込む、といったこともあります。

しかし、長毛種の美しさは”長毛である”ことでもありますから、このよう問題が生じないように、小さい時からブラッシングに慣れさせて、毎日のお手入れを欠かさないようにしなければなりません。

猫の毛並をよくするには

毛並みをよくするために必要な条件を紹介します。

①栄養問題:口から入る栄養分が被毛を元気にすることは、人間と同様に猫の場合にも言えることです。

非常に質の悪いキャットフードや、アンバランスな栄養の手作りご飯では、毛並みが悪くなるだけではなく、消化が悪く、体全体の調子も悪くなる可能性が十分にあります。

特に毛並みの軸となる栄養素を以下に示します。

・タンパク質:毛を作る成分として必要。

・脂質:美しい光沢には脂質が必要。

・銅、亜鉛:毛色や艶に必要。

②生活環境:季節によっての気温の差は、体力的にも被毛にも影響が出ます。

また、ストレスが多い環境では、人間と同様に毛並みも悪くなる可能性があります。

常に過ごしやすく、ストレスの少ない静かな環境を用意してあげる必要があります。

③グルーミング:年齢に応じた十分な栄養を摂取して、内側から毛並み維持をしっかりとサポートしてあげていても、例えば、高齢の猫になると関節炎などで体の柔らかさが低下して、グルーミングがやりづらくなる事もあります。

また、何らかの体調を崩してしまうと猫はグルーミングが出来なくなります。

ですから、体調管理=毛並み管理と言っても過言ではありません。

④理想体重維持:肥満猫の場合には、糖尿病の問題や関節炎の問題などだけではなく、太りすぎて体の隅々までグルーミングができないことがあります。

その結果、届かない部分はいつまでも不潔な状態で放置されてしまうため、臭いが出たり、毛並みが悪くなってしまいます。

⑤シャンプー:猫は犬と比較して、臭いがあまりしない動物です。

自分でグルーミングをしてくれるため、健康であれば頻繁に洗う必要がありません。

従ってシャンプーのやり過ぎは、かえって精神的なストレスを与えたり、被毛にもダメージを与えることがある為、注意すべきです。

また、適切なシャンプーを使うことが重要です。

⑥外部寄生虫:室内でもノミが入り込むことがあります。

ノミがいれば糞が被毛に付着します。

また、痒いために頻繁になめすぎたり、引っ掻いたり、という行為から被毛や皮膚も元気が無くなってしまいます。

定期的に駆除剤を使う必要があります。

⑦健康状態:ストレスフリーの生活環境やバランスの取れた食餌、適度な遊び(運動)、そして定期的な健康診断、と揃えば、美しい毛並みの維持は完璧と言えるでしょう。

⑧普段のお手入れ:いくら自分でグルーミングをしてくれるからと言っても、短毛種、長毛種、にかかわらず、何かしらのお手入れは必要です。

無駄な抜け毛を落として、口に入って毛玉を吐いたり、便秘になることが無いようにする為には、定期的なブラッシングが一番効果的です。

短毛種は毎日行う必要はありませんが、長毛種は、最低でも毎日一回は行う必要があります。

・ブラシの種類:ラバータイプのものは、短毛種、長毛種、どちらの場合でも簡単に抜け毛を落としてくれます。

また、スリッカーのようなタイプは皮膚を傷つけやすいので、長毛種の毛先にのみ使うようにしなければなりません。

その他のタイプのブラシでも、皮膚を傷つけない、引っ張らない、やりすぎない、を鉄則に、猫の機嫌の良い時を狙って手早く済ませることが必要です。

・毛玉:毛玉を発見した場合には、指やコーム、スリッカーで毛玉を分けるように割いていきますが、皮膚を強く引っ張らないように注意しなければなりません。

嫌がることをしてしまうと、次回からブラッシングを嫌うようになってしまいます。

明らかに無理な場合には、猫のトリミングに慣れたトリマーや看護師、獣医師に任せましょう。

・毛の流れ:毛の流れに沿ってブラッシングをしましょう。

毛に逆らって行うと絡まりやすくなったり、嫌がったりします。

・毛刈り:長毛種にバリカンで全身カット、ライオン刈り、などを行うことはなるべく避けましょう。

毛はデリケートなセンサーの役目をしており、皮膚を守っています。

・皮膚チェック:ブラッシングの際には全身をしっかりと触ったり、見たりして、皮膚の異常がないか、などを確認するようにしましょう。

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