猫の肥満とは

猫ちゃんの肥満は、ワンちゃん同様に小動物臨床の世界でもトップの栄養障害と言えるほど社会問題化しています。

その証拠に、診察室でキャリアから猫ちゃんを出してもらった瞬間に、その体格の良さを見てびっくりすることがよくありました。

誰もがお分かりだと思いますが、肥満とは病気と同じですし、他の病気を招く恐ろしい前兆でもあり、そのまま放置してはいけない状態なのです。

猫 太りすぎ(肥満)の原因

では、太りすぎてしまう原因は一体何であるか考えてみましょう。

①年齢:これは人間と同じく、中年(猫ちゃんは5歳前後から)と言われる世代が要注意です。

なぜなら、幼猫さんの時は沢山遊んで成長していく為にエネルギーが必要ですが、大人になって成長が止まると、今までのエネルギーは必要ありませんし、小さい時と違って遊びの動きも減ってきます。

さらに、次に挙げるように、避妊手術や去勢手術は6ヶ月までに受けるので、その時点で繁殖に必要なエネルギーは必要なくなりますから、同じ量を食べていたら太ります。

②避妊手術と去勢手術:中性化することにより、以前よりも活動が低下して太ってしまいます。

また、手術後に一つのホルモン(プロラクチン)が高いことで肥満を招きやすくなります。

性別では雌よりも雄の方が肥満しやすいようです。

③品種:純血種に比べると雑種の猫ちゃんの方が太りやすいと言われています。

④環境:おうちの中にタワーなどが揃っていないと動くこともあまりありません。

また、猫ちゃんの飼い主さんはワンちゃんの飼い主さんと違って、遊びなどに時間を費やすことが少ない傾向にあります。

ワンちゃんは確実にお散歩に出かけることを要求しますが、猫ちゃんはそう言った習慣がありません。

そして、同居の猫ちゃんがいる場合は、お互いのご飯を盗んだりして、多めに食べてしまうこともあります。

⑤食餌:ワンちゃんのように一度で全て食べ尽くすのではなく、少しずつ食べる為、飼い主さんが”適当な量”のドライフードをパラパラとお皿に乗せて、夜まで出かけてしまうというパターンが多いです。

夜までいないから、と実は多めの”適当量”を与えていた場合、気がついたら肥満になっていたりします。

猫の減量法

減量の方法は、現実的なものとして、①薬物治療、②フードの管理、③運動、が挙げられますが、三つ目のフード管理は非常に効率の良い方法です。

フード管理による減量方法とは、フード量の減量、減量専用フード使用、嗜好性の低いフードの使用、の3通りであり、飼い主さんのニーズに見合ったものを選ぶようにします。

しかし、一番初めに減量のために知っておかなければならないのは、猫ちゃんの体調と猫ちゃんのボディコンディションスコア (BCS)です。

痩せる為には、肥満以外の健康問題がないことが必須であり(健康診断済みでなければいけません)、現実のボディコンディションスコアと目標(理想)というものを知る必要があります。

ボディコンディションスコア (BCS)のガイドライン

  • BCS1 やせすぎ、肋骨がくっきり出ていて、筋肉の張りもない。
  • BCS2やせ気味、肋骨は少し出ているが、多少の筋肉の張りもある。
  • BCS3理想的。肋骨を触るとわかる程度、皮下脂肪が少ない。
  • BCS4太り気味、腰のくびれが隠れつつある。
  • BCS5肥満、腰のくびれの消失、お腹の脂肪も明らかになる。

理想体型は BCS3になりますが、BCS4であればだいたい20%ぐらいの理想体重からの超過、BCS5なら 40%ぐらいの超過(あくまでも目安で個体差がかなりあります)と考えます。

つまり、これらの数字からだいたいの理想体重が想定できるので、それを目指して減量スタートです。

減量ペースは1週間に現体重の1から1.5%パーセント以内であれば体の負担も少ないと考えられています。

理想体重が決まったら、次はフードの与え方の見直しです。

殆ど全てのフードには維持する体重あたりのフード量が書いてあります。

また、カロリーにしてみますと、太り気味の子(BCS4)であれば、理想体重×30キロカロリーぐらい、肥満の子(BCS5)では、理想体重×35キロカロリーぐらいが1日の必要エネルギーです。

これらの情報をしっかりと確認して下さい。

猫の減量専用フード(ダイエット向けのおすすめフード)

猫ちゃんは、同じ量を食べる傾向があるので、食餌の量を減らすことは実は猫ちゃんの減量作戦には不向きです。

そんな場合に使えるのは、量を減らさずにカロリーを控えめにしてくれる減量専用フードです。

例えば以下の3つは有名ブランドでもあり、病院でも広く扱われています。

  • ロイヤルカナン減量サポート
  • ロイヤルカナン満腹感サポート
  • ヒルズメタボリックスドライ、ウエット

食いつき加減を見ると、おそらくどれも問題がなさそうです。

ロイヤルカナンは古株のフードですが、コンセプトは低脂肪、高タンパク、満腹感が出るのは食物繊維量が多めです。

ヒルズのメタボリックスは割と新しい種類で、遺伝子レベルから肥満について研究して出来上がったフードということで、リバウンドしないことを目標にした減量フードだそうです。

もちろん、メインテナンスにも最適です。

そして、ヒルズの古株フード減量フードの r/dよりもはるかに美味しさが違うような印象があります。

まとめ

猫ちゃんの肥満と減量について考えてみました。

結論から言うと、まずは定期的に体重を測定して現実を知ることです。

どれぐらいの肥満であるのか、また理想体重が何キロかを確認しましょう。

肥満であれば、人間と同様に糖尿病などの病気になるリスクはぐっと上がりますから、減量は絶対に必要です。

その方法は、まずフードの見直しです。

そしてオモチャでじゃれたりの軽い運動なども再検討していただければと思います。

健康と長生きのために頑張って下さい。

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